職場の共有スペースの片付けはルール作りがキモ
給湯室、ロッカールーム、休憩室 だれのモノかわからないから… 数年間放置してある湯呑 ロッカーの上に上がったままの靴 ほこりを被った傘… 共有の場所が美しいと、「思いやり」のある職場だと感じます。 自分の場所より、みんなの場所、今回は共有スペースについてお話します。 職場に一歩足を踏み入れたら全てが共有スペースと思ってもらっていいと思いますが、今回は特に業務とは関係ない部分の共有スペースについて考えてみたいと思います。 と言うのも、オフィスではお互いに気持ちよく仕事をするためのルールが確立されていても、共有スペースとなると曖昧という職場が意外と多いから。 気持ちよく仕事ができることも大切ですが、仕事に集中してもらうためには、着替える時も休憩の時も一部の人にだけ負担を押し付けるようなことがあってはいけません。 そのためにはルール作りが重要になります。 何から手を付けたらいいのかわからない、片付けようにも時間がとれない、などお困りでしたらぜひお気軽にご相談ください。 これまでの経験や独自のノウハウから、それぞれの状況に応じたアドバイスをいたします。 |
1.片付け当日までにすること
いきなり片付けられたら早くていいのですが、複数の人が使う共有スペースは計画的に進めることが必要です。 ここでは片付けの当日までに済ませておきたいこと 1.問題を洗い出す 2.計画を立てる 3.私物を撤去してもらう 4.ルールを決める の4ステップについて解説します。 1.問題を洗い出す まずは共有スペースではどんなことが問題になっているのか、小さなことでも構いませんので全て洗い出します。 一部の人が頭で考えているだけでは問題点は明確になりませんので、共有スペースを使用している全員に無記名式のアンケートを実施するなどして、必ず全員の意見がくみ取れるような方法をとりましょう。 例えば片付けるのはいつも決まった人だったり、私物が放置されていたり…。 「そんな細かいこと」と思われがちですが、いつも片付けをしている人にも仕事はあります。 冒頭で申し上げた通り、 みんなが仕事に集中できるようにするにはルールを決めて運用していく必要があります。 どんなに細かいことでも問題点には全て目を通しましょう。 2.計画を立てる 問題点が明確になったら片付けの日程を決めます。 片付けるべき共有スペースが複数か所ある場合は一日に1か所〜2か所くらいにして無理のない計画にしましょう。 その際、 使用者の全員が参加することが望ましいです。 そこで参加しなかった人は片付けることを自分事として捉えられなかったり、蚊帳の外にいるような気持ちになったり…。 「みんなで気持ちよく使う」ことから外れてしまいかねません。 全員が参加できるよう日程の調整をしましょう。 3.私物を撤去してもらう 片付け当日までにしてもらいたいことの一つが「私物の撤去」です。 共有スペースにそれぞれが私物を放置していたら本来の目的での使用ができなくなります。 1週間〜2週間程の猶予を設けて各自で持ち帰るか処分してもらいましょう。 また、片付けの前日に残っていたものは処分すると伝えておくことも有効です。 4.ルールを決める もう一つしておきたいことはルールを決めること。 内容としては ●当番制で掃除をする ●使用後は必ず元の場所に戻す ●私物は放置しない ●放置されていたものは処分の対象になる ●最後に使った人は照明のスイッチを切る など。 職場の状況に合わせて決めることが大切ですが、片付けの後は当番制で掃除をするのがオススメです。 みんなが関わることでルールが守られやすくなったり、公平性が保たれたりと「みんなで気持ちよく使う」ことにつながります。 一部の人だけで決めることが難しいとか、できるだけ多くの人から意見を聞きたい、といった時にはここでもアンケートを実施するのもいいかも知れません。 |
2. 片付け当日の手順
片付け当日。 どういう手順で進めると効率的にできるのか順を追ってみます。 1.不用品を処分する テーブルや椅子などを除いて収納してあるモノ、置いてあるモノを全部出して要・不要に分けます。 不用品はもちろんすぐに処分。 必要と思ったモノでも収納しきれなければもう一度見直しましょう。 スペースには限りがあり、今後掃除をする際できるだけ時間がかからないようモノはギリギリまで少なくしておくことが大切です。 私物は持ち込まないことが原則ですが、どうしても置いておかなければいけない場合には場所を区切ってそれぞれのスペースを確保します。 ただし決められた場所以外に放置することは固く禁じましょう。 2.清掃する モノが少なくなったところで清掃します。 普段手が届きにくいところもこの機会にきれいにしてしまいましょう。 「みんながきれいにするとこんなに気持ちが良い」という体験ができたら、その後の掃除当番もモチベーションを維持できます。 3.必要なモノを収納する 1で必要と判断したモノを収納します。 ここでただ何となく収納してしまうと使ったあと元に戻せなくなり散らかる原因となります。 必要なものを適切な場所に収納し、使った後も確実に戻せるような工夫をしましょう。 例えば ●収納場所にはラベリングをして何をどこに収納するのか分かりやすくしておく ●必要に応じて写真を貼る ●ビニールテープなどで印を付ける などです。 収納用品が必要と感じたら後日購入します。 というのもしばらく共有スペースを使ってからの方が必要な形・サイズなどが明確になりやすいため。 また使った人が片付けることを義務化してモノが放置されないようにしておくことも大切です。 4.掃除当番表を見えるところに貼る 自分の当番がいつであるかわかるよう目につくところに貼りだすのがいいかな、と思いますが、個人情報保護の観点から名前を貼りだすのが難しい場合、アルファベットや記号でもOK。 「忘れていた」や「気付かなかった」を許しているとすぐに元の状態に戻ってしまいます。 どうしてもできなければ他の人と交代してもらうこともできますので、ここは厳格に運用しましょう。 5.定期的に片付け・清掃する 4までできたらひとまず終了ですが、モノというのはどうしても増えてしまいます。 また必要なモノがその時々で変化することもあります。 だいたい半年前後を目安にみんなで集まって片付けることができれば、良い状態を維持できますので、定期的な片付けを行うことをオススメします。 |
3.まとめ
共有スペースの片付けというのは後回しにされてしまいがちですが、実は仕事に集中するためにも重要な場所です。 休憩しようと思っても椅子がモノで埋まっていたり、床にモノが放置されていては仕事にも悪影響が出るかも知れません。 また、いつも片付ける人が決まってしまうと、それ以外の人が散らかっていることに無頓着になり、それがオフィスの状況にも現れることだって考えられます。 一部の人だけが不満を持ちながらやるよりは、みんなでルールに従って片付ける方がチームワークも良くなります。 そう、片付けが必要な理由は本当にたくさんあるんです。 もし、片付けが思うように進まない、片付けてもすぐに元に戻ってしまい困っているなどの場合はぜひご相談ください。 それぞれの職場の状況に合わせてアドバイスいたします。 |